運命の日 #2

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あの日から一週間、香織は電話も店に来る事もなかった もちろん私から電話する事もない 連絡先など知らない あれは夢だったのか、何かの幻想だったのだろうか いっそその方が良いかも知れない 心は茜を求めている、香織の一件でいっそうそう感じた けれども身体は確実に香織を求めている 変わってしまったのは、他の女の子を口説かなくなった事だろうか? 誘われてもその気にならない 誘う気にもならない、誘う事口説く事、その先を想像し、実行し最後の快楽に辿り着く そんな愉しかったプロセスが香織との快楽の前では虚しいものに変わってしまった 自分でも呆れてしまう、恋愛に固執するなら、まだマシである これじゃまるで、特別な快楽をもたらす薬物みたいだ 一度手を出したら、そこから抜け出せない どうやらそれは香織も同じだったらしい 扉が開いて…香織がやってきた
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