運命の日 #2

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意外だったのは、香織が一人ではなかった事。しかも時間は店のピーク十一時頃だった 「いらっしゃい、三人で良いのかな?」 「へー此処なんだ、香織が最近来てる店って」 どうやら、私達の事を話している様子もない。会話の中には香織の彼氏の話も出ている ただ遊びに来ただけなのかも知れない それならそれでいい、流石にこれだけ忙しい中では、欲情している暇もない 一時を回って、早い時間からのお客が次々とはけていく 「私達も帰るね」 ロクに会話もしていないままで私にチェックを頼んだ 「ごめんね、友達も連れてきてくれたのにほったらかしで」 「大丈夫ですよ、他のお客さんと遊んだし。でもちょっと驚き、香織がこういう感じの店に来てると思わなかったな」 そう言ってエレベーターへ乗り込んでいった この間の事で少しは免疫も出来たのかもしれない。見えないから余計に求めてしまう、そんなものかも知れないと感じる いや、無理にそう思いたいのかも知れない。頭から消そうとしている事自体が不自然なのだ
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