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時間はもう六時を回ったところだった。ホテルに入ったのは二時半過ぎ、三時間以上も絡み合っていた事になる
「悪いけど帰らないと、どうする?俺だけタクシーで帰っても良いけど」
「少し待ってて、隆ちゃんの車まで送るから」
ノロノロと着替えを始めた。
ソファーに座り、その様子を見つめていた
茜程ではないが、整ったプロポーション。程よい胸の大きさに、肉付きの良い腰回り
「そんなに見られると恥ずかしいよ」
女心はつくづくわからない、裸でそれこそ隅々まで見られ、舌を這わされキスをされた、そこに服を纏うところを見られるのが恥ずかしいと言う
「何を今更…」そう言いかけて止めた
「ああ、ごめん」
「良いんだけどさ、今更だよね」
そう話したのは、香織の方だった
思わず苦笑する、香織もそれを見て笑った
「これからどうする?」
車の中で香織がそう話しかけてきた、私に話しているのか、それとも自分自身にだろうか
「そうだね、どうしようか」
曖昧な答えだが仕方ない
「困ったね」
そう、困った。つい先程まであれだけ欲望をぶつけ合った、それでも彼女を知らないし、愛情もない
それは、彼女も同じだろう私達は何処へゆくのだろう。
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