運命の日 #2

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身体は確かに疲れている。カーテンを閉じて部屋を真っ暗にしてクーラーを効かせた 眠れない、今眠れないとこの先二十四時間眠りに辿り着けない 仕方なくテレビをつける、くだらない朝のワイドショー。タレント、文化人良くもまあこれだけくだらない連中を集めるものだ チャンネルを変える、どこも同じニュースと似たり寄ったりのコメント。凶悪な犯罪を犯した若者に、憤りの声をあげる 「一体、何を考えているんでしょう」 生い立ちから少年を追いかける、近所へのインタビュー 訳知り顔のコメントに腹が立ってテレビを消した 人の心を推察するなんて、できるはずがない ウケるから流す、それだけの事。自分達がどれだけそのいい加減なコメントで人を傷つけているのか そんな事を考えているのも、全ては香織の事を頭から消すためだ。届かない怒りに身を任せる程のバカではない
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