運命の日 #2

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正直、女の買い物は苦手だ。ここで見て、次の店そうして幾つかの店を回って、最初の店に戻る その度に、どっちの色が良い?これと、こっちだとどっちの方が良い? これを、適当に答えてはいけない。少し悩んだふりをして、キチンと答えなければいけないのだ 大抵の場合、答えはもう決まっている。聞いてみるのは只の確認作業だ 私の意見で答えが変わる事は無いのだろう それでも最近は、彼女の行動に慣れてきた。可愛いなとも思う 細く長い脚、ウエストは私の太ももより細い。それでいて形が良く適度な大きさのバスト おそらく、見た目には完ぺきなのだろう。性格も悪く無い 昼間家にいると、よく電話がかかる 私は電話を取らない事にしていたが、たまに寝ぼけて受話器を手にしてしまう 決まって相手は怪訝そうな声になった 中には、名前を知っているタレントや歌手そんな連中も電話をかけてきた 「もう、水商売だと思って軽く見てるんだよね」 こちらに来る度に連絡を寄こすのだ。毎度彼女は興味なさそうに断った 「何で電話番号教えるのさ?」 「私が教えるわけないじゃない、お客として引っ張りたくてママが勝手に教えるんだから」 人気者も大変だ
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