未定 #2

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店の電話が鳴ったのは、零時を回った頃だった 「もしもし」 「……………。」 電話の向こうから声は聞こえない。それでも私には誰だかわかっていた カウンターでは、お客同士がたわいない会話を続けている。電話をしている私には誰も興味を示していない 無言の電話を続けた、微かな嗚咽が聞こえ出す 「元気か?」 「ごめんね……」 しゃくりあげる様な声が切ない 「いや、声聞きたかった」 「そんな事初めて言われたよ」 「そうかな…」 もう、誰にけなされようが罵られようがどうでも良かった ただ会いたくて、抱きしめたくて… 「出られるか?」 「……本当に…良いの?」 「会いたいんだ」 引き返せない泥沼に、束の間の幸せに、私達は足を踏み入れる
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