未定 #2

14/18
前へ
/35ページ
次へ
此処まで、否定してきた言葉。多分私も香織もわかっていた 否定の裏返しが、これまでのSEXの形だったのかも知れない。愛じゃない、感じてしまうのだから仕方がない そう確認する為に行ってきたこれまでの繋がり けれどお互いに伝えてしまった今、激しいだけの交わりになるはずがなかった 香織の涙を唇で拭う、優しく髪を撫でる。指先で愛しい唇にそっと触れた 耳元で香織が何度も囁いた、これまでの分を取り戻す様に 「愛してる、愛してる…」 ゆっくりとその言葉を塞ぐように唇を重ねる、収まるべき処におさまった舌が隙間なく絡み合う 何故これ程までに合わさるのだろうか 唇も、舌も、その口腔も、まるで誂えた様に創造されている Tシャツの下から手のひらを滑り込ませる、手のひらの細胞がまるで絡み合うようにその肌に密着してゆく 穏やかな丸みの先にある敏感な突起に指先が触れると、香織の身体から力が抜けてゆく 「こんな所で良いのか?」 頬を密着させながら、耳元で問いかける 「会えなくなるぐらいなら、どこでもいい。少しの時間でいいの…」 香織の顔を見つめなおし、もう一度唇をふさいだ
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

918人が本棚に入れています
本棚に追加