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此処まで、否定してきた言葉。多分私も香織もわかっていた
否定の裏返しが、これまでのSEXの形だったのかも知れない。愛じゃない、感じてしまうのだから仕方がない
そう確認する為に行ってきたこれまでの繋がり
けれどお互いに伝えてしまった今、激しいだけの交わりになるはずがなかった
香織の涙を唇で拭う、優しく髪を撫でる。指先で愛しい唇にそっと触れた
耳元で香織が何度も囁いた、これまでの分を取り戻す様に
「愛してる、愛してる…」
ゆっくりとその言葉を塞ぐように唇を重ねる、収まるべき処におさまった舌が隙間なく絡み合う
何故これ程までに合わさるのだろうか
唇も、舌も、その口腔も、まるで誂えた様に創造されている
Tシャツの下から手のひらを滑り込ませる、手のひらの細胞がまるで絡み合うようにその肌に密着してゆく
穏やかな丸みの先にある敏感な突起に指先が触れると、香織の身体から力が抜けてゆく
「こんな所で良いのか?」
頬を密着させながら、耳元で問いかける
「会えなくなるぐらいなら、どこでもいい。少しの時間でいいの…」
香織の顔を見つめなおし、もう一度唇をふさいだ
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