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教会での式は淡々と進んでゆく、驚くほどに印象に残らない。それは、私がこの式を他人事の様に感じているからだろうか?
何故私は此処に居るのだろうか?そんな事ばかり考えてしまう
周りは皆、私が緊張して笑えないのだと思っているようだ。ぎこちなく笑う私を、茜や香織はどう感じているのだろう
愛するという事が分からなかった。
それが今、茜への思いと香織との思い。どちらもが愛なのだと実感してしまう
セレモニーが進む中で初めて気が付いてしまった思い
招待客のテーブルに並ぶキャンドルに火をつけて回る。
「おめでとう」
満面の笑みを浮かべ、拍手をしながら香織が茜に囁いた
「ありがとうね」
茜も香織にそう告げる。
香織が私に微笑んでいる、悲しげに見えるのは私だけだろうか?
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