757人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
愛情 #2
「どう、赤ちゃん可愛い？」
電話で香織は最初からそう話した。タブーにしていても仕方ない、まるでそう言わんばかりの明るい話し方だった
「実感ないんだよね、他人事みたいで」
そう話す私に呆れて香織が返す
「もう、何言ってるのよ。ダメじゃないそんなんじゃ、茜ちゃんはどう？」
「ああ、順調みたいだ。暫く実家にいるみたいだ」
「そうか…頑張れって伝えてって言いたいとこだけど、さすがにまずいか」
茜を心配しているのは本心だろうと思う。茜が実家にいるという事は、会える時間があるという事だ
「じゃあ、またお店にでも電話するね」
それでもお互いに、約束もできないで電話を切った。裏切っている事には違いない、それでも今の会話の流れで約束はできなかった
最初のコメントを投稿しよう！