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薄暗く、騒がしい店。美香のテリトリー、いかにも常連らしく、店員や常連の男が声を掛けてきた
それでも、程々のボリュームで流れる音のお陰で、会話が聞かれる事がない
「デートまで断ったんだからね、香織の相談なんて珍しすぎて」
奈々といい、美香といい・・良い友人なのか、只の野次馬なのか判らなくなってきた
私が話しだす前に、奈々が話し出していた。ニヤニヤしながら、興味を示す美香
「ふ~ん、出会っちゃったんだ。良いな~」
「良いわけ無いでしょうに、好きでもない男だよ?」
「だって、好きになれば良いだけじゃん」
無茶苦茶な話しだ、話すんじゃなかった・・
「でもさ、別に嫌いじゃないんでしょ?」
奈々が割り込む。嬉しそうな顔、人ごとだから愉しいんだろう
「考えた事もないんだよ、対象外なんだもん」
「じゃあ、貧乏人だ」
美香が笑った、本気で付き合う男は、ちゃんとした男が良かった。それは認める
「多分ね、だって飲み屋だよ。しかも小さい店」
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