最終章 #2

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絶対に、明るく話そうと決めていた。これ迄、どれだけ嫌な事や、悲しい事があってもそれだけは守ってきた 「隆ちゃん、泣きそうになってきたよ」 「俺もだよ、キツイな」 もう、溢れる涙は堪えきれない。頬を涙が伝わる、私が泣いている事は隆にもばれている 受話器越しに聞こえる隆の声。多分、彼も泣いていた そう気付くと、もう涙は止まらなくなった。言葉にならない程に、しゃくりあげてしまう 「香織・・・ごめんな」 何度、この言葉を聞いたのだろうか。もうすぐ、隆にこの言葉を、言わせなくても良くなる それだけが、救いの様に感じていた
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