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「俺もだよ、一日中考えてた」
「私もだよ・・隆の事ばかり、考えてたよ」
「そうか、ありがとうね。香織」
「どう致しまして、ありがとうね。隆ちゃん」
短い会話は、続かなかった。それで良い気がした
隆からの電話は、後二回だけ・・
三百六十五分の二
ずっと考えているのは、最後に隆に話すべき言葉だった
「元気でね」「ありがとう」「ごめんね」「愛してる」「愛してたよ」「さよなら」
幾つもの言葉を、思い浮かべる・・
そのどれもが、最後に相応しい気がしたり、そうで無い気がした
「最後に悩むのが、こんな事だと思わなかったよ・・・」
「まあ、あんた達なりのケジメなんだからさ。きっと、その時じゃないとわかんないよね」
初めから、終わりまで知っている奈々に、堪らず電話を入れた
深夜の電話。迷惑な話だろうと思う
「掛かって来ると思ってたよ」
笑い飛ばしてくれた事が、嬉しかった
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