601人が本棚に入れています
本棚に追加
「おやすみ。香織いい夢見るんだよ」
毎晩、最後の言葉は同じだった。
「ありがとう、愛してるよ隆」
私の言葉も同じだった。繰り返されたやり取り、本当に明日で終わりなのだ
受話器を置いて、溜息をつく。これも、毎晩繰り返された事だ
顔が見たい、触れて欲しい、抱きしめて欲しい、キスがしたい
毎日、毎晩思ってきた。まくらに顔を埋めて、歯を食いしばって泣いた
夢など、良い夢など・・見られる筈もない
最初のコメントを投稿しよう!