最終章 #2

17/22
前へ
/30ページ
次へ
驚く程、あっという間に夜が来る。何を話せば良いのかすら、思い付かなかった きっと、又、真夜中の電話だろう。週末の夜、遅ければ何時になるかわからない 部屋で、じっと待つ事に耐えられなかった。思わず、車に飛び乗っていた 何を、どうしようなど考えていない。少しでも、隆の近くに居たかった 迷った挙句、隆の店から少し離れた駐車場に車を駐める 隆の店の客に見られない様に、店のあるビルの非常階段を昇る 隆の店の真下にある、小さなBAR。何度か、隆と顔を出した事があった 「いらっしゃいませ・・あれ?久しぶりだね。前に、何度か来てくれたよね」 「良く覚えてますね」 「あ~そうだ、隆君と一緒に来てくれてたんだよね?」 「ええ、まあ。最近は全然行って無いんですけど」 「そうなんだ、隆君の彼女だと思ってたんだけどね」 さらりと、痛いところを突かれた。もしかすると、少し嫌な顔をしたのかも知れない 「ゴメンね、あんまり触れない方が良かった?」 「そんな事、無いですよ。友達の旦那さんなんです。隆君」 「あ~、そうだよね。はじめの頃、二人でやってたもんね。あのお店」 「あの~、とりあえず。度数の低いカクテルお願いします」 「あ~、ゴメン!悪かったね。お任せで良いの?」 言葉の割に、のんびりとシェーカーを取り出した 少しかけ登れば、そこに隆がいる。少しだけ飲んだら、帰って電話を待とう
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

601人が本棚に入れています
本棚に追加