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驚く程、あっという間に夜が来る。何を話せば良いのかすら、思い付かなかった
きっと、又、真夜中の電話だろう。週末の夜、遅ければ何時になるかわからない
部屋で、じっと待つ事に耐えられなかった。思わず、車に飛び乗っていた
何を、どうしようなど考えていない。少しでも、隆の近くに居たかった
迷った挙句、隆の店から少し離れた駐車場に車を駐める
隆の店の客に見られない様に、店のあるビルの非常階段を昇る
隆の店の真下にある、小さなBAR。何度か、隆と顔を出した事があった
「いらっしゃいませ・・あれ?久しぶりだね。前に、何度か来てくれたよね」
「良く覚えてますね」
「あ~そうだ、隆君と一緒に来てくれてたんだよね?」
「ええ、まあ。最近は全然行って無いんですけど」
「そうなんだ、隆君の彼女だと思ってたんだけどね」
さらりと、痛いところを突かれた。もしかすると、少し嫌な顔をしたのかも知れない
「ゴメンね、あんまり触れない方が良かった?」
「そんな事、無いですよ。友達の旦那さんなんです。隆君」
「あ~、そうだよね。はじめの頃、二人でやってたもんね。あのお店」
「あの~、とりあえず。度数の低いカクテルお願いします」
「あ~、ゴメン!悪かったね。お任せで良いの?」
言葉の割に、のんびりとシェーカーを取り出した
少しかけ登れば、そこに隆がいる。少しだけ飲んだら、帰って電話を待とう
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