最終章 #2

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家までの帰り道、少しだけ遠回りして香織の家の前を走る あたり前の話だが、深夜の住宅街には人影すら見えない 店から、この時間なら十分程度の距離。あまりの近さに、苦笑してしまう 家のそばで、車の速度を落とした。歩くようなスピード、アクセルも踏まない。ゆっくりと車は、家の前を通り過ぎる ひとブロック離れた、公園の脇に車を止める。車のドアにもたれて、煙草に火を付ける ぼんやりと、香織の家の方を眺めながら煙を吐き出した すぐそこに、香織が居る。大声で叫べば聞こえるだろう 『会わないか?』そう言い出してしまうのは、決まって私だった その度に、香織は寂しそうに答える 『ダメだよ・・・隆ちゃん・・・』
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