最終章 #2

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平日なら、十二時前後。日曜は九時頃の時もあれば、深夜の事もある もう何冊の本や雑誌を読んだのだろうか。編み物もしてはみた、けれども行く当てもないサマーセーターを編んだ処で、虚しくなるだけだ 最初のセーターは、父親にあげた その時の、ご機嫌な表情といったらない。夜遊びばかりしていた娘が、毎晩早くに帰りセーターをプレゼントする 確かに、驚き以外の何ものでもないだろう セーターを編んだ時間と毛糸代は、何故かブランドもの一式に変わってクロゼットの中だ 気まぐれでも、親孝行はしてみるものだ そんな生活が問題だったとは思わないけれど、体調が悪くなる 「精神的なストレスでしょう、ホルモンのバランスが悪くなっています」 ストレス・・そう言われてしまえば、無いはずがなかった けれど、原因がストレスなんて、理由が分からない時に医者が使うのだと知っていた
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