最終章 #2

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体調が悪い事など大した問題では無かった。心の痛みに比べれば、我慢ができない事ではない いっそのこと、すっきりと別れてしまった方が良かったのかも知れない 一生泣き暮らす事も無いだろう、そんな考えも浮かぶ。けれど、夜になればやはり隆の電話を心待ちにした 近くて、そしてとても遠い隆との距離。それは、もう決して埋めてはいけない距離 『なあ、会わないか?』 そう言われた時には、思わずそうしてしまいそうになる 張り裂けそうな心が、悲鳴を上げる。『うん』そう答えれば、隆はすぐに飛んでくるだろう 会いたいという言葉を、無理やり飲み込んで答える 「ダメだよ、隆ちゃん・・・・」
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