最終章 #2

9/22

602人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
約束の一年は、その長さを少しずつ縮めてゆく 毎晩、電話を受ける度に終わりに近づいてゆくのだ。隆も、私もその事には触れなくなっていった それでも、約束は守ろうと決めていた。それ以上隆を縛り付けてはいけない 私もそうだ、悲しく寂しくとも、先の無い繋がりには終止符を打たなければいけない 多分、隆だって同じ様に考えているだろう 三年間の付き合いと、一年間の細い繋がり 最後には、何も残らない。けれども、それで良い。少なくとも、そう思えるだけの時間になった 暑い夏が過ぎて、秋を感じる季節になった。約束の時まで、後一月・・
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

602人が本棚に入れています
本棚に追加