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約束の一年は、その長さを少しずつ縮めてゆく
毎晩、電話を受ける度に終わりに近づいてゆくのだ。隆も、私もその事には触れなくなっていった
それでも、約束は守ろうと決めていた。それ以上隆を縛り付けてはいけない
私もそうだ、悲しく寂しくとも、先の無い繋がりには終止符を打たなければいけない
多分、隆だって同じ様に考えているだろう
三年間の付き合いと、一年間の細い繋がり
最後には、何も残らない。けれども、それで良い。少なくとも、そう思えるだけの時間になった
暑い夏が過ぎて、秋を感じる季節になった。約束の時まで、後一月・・
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