第4話 個性にトライ!

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「しかし、キャラが強い…ですか」 忍さんが何かを思い出すような様子で言う。 「私はキャラが強いというよりは、よく『キャラがつかめない』と言われますが」 「あぁ…」 それは納得だった。 たしかにこの人はキャラがつかめない。 礼儀正しい人かと思えば、バリバリの下ネタも言ってくる。 かと思えば凛とした空気を出しみたりして…、今のようなボケもしてくる。 「それを相手にする方は大変だと思いますけど」 「そうでしょうね」 忍さんはあっさりと、何でもないように言った。 「ですが、それが私ですから」 再び歩き出す。 揺れる短いポニーテール。 背中には、何か強い意志を感じた。 「…開き直り?」 そんなことを口に出しながらも、俺は少し微笑んでいた。 まぁ、そのキャラがつかめないことも含めて、忍さんの個性なのだろう。 ちょっとだけ、羨ましいと思った。
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