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「来たか!」
忍さんに案内され朱鳥の部屋の襖を開けると、昨日までと同じように、夏休み中にも関わらず何故か制服姿の朱鳥がいた。
「来たか!の前に挨拶くらいしろ」
「む。…おはようございます」
「はい、おはようございます」
不満そうな顔で挨拶をしてくる朱鳥に俺も返す。
朱鳥の部屋は畳部屋で、思っていたよりも広くはなかった。
といっても広いには広いのだ。
少なくとも俺が暮らしているアパートの部屋の2倍くらいはある。
部屋の中央には、小さなちゃぶ台のような机が一つ。
その机を挟むようにして座布団が二枚。
他にある家具も木製の物が多く、『和室』そのものだった。
「………」
一つだけ、部屋の隅に飾られてあるあの日本刀の模造刀だけはそれでも浮いていた。
アレを手元に置いておく女子中学生などそうそうはいないだろう。
侍、っぽいよなぁ。
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