第4話 個性にトライ!

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「さて、何から始めるか!!」 向かい合って座布団に座ったと同時に、朱鳥がそんなことを言った。 行儀良く正座をしている辺りに、育ちの良さを感じる。 まぁ一応お嬢様だしな。 「何だ、えらいやる気じゃないか」 「ふふん。私はやると言ったからにはとことんやるぞ!」 正座のまま腰に手を当て、顎をクイッと上に向けて俺を見る朱鳥。 この場合下目遣いとでも言えばいいのか、そのちょっと見下したような目つきは。 …懐かしい目つきだ。 とにかく、昨日も思ったが朱鳥の真っ直ぐさは心地良いものだ。 こういう奴は嫌いじゃない。 「へぇ。感心感心」 「先生のことは気に入らないが、精々利用させてもらおう!」 「そういうことは口に出しちゃダメだろう」 真っ直ぐ過ぎて隠し事とか出来ないな、コイツ。 それとも単にバカなだけか。 それを今から確かめる訳だが。
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