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「あー…、じゃあ俺そろそろ行くわ。鍵は置いてくから帰るときはちゃんとかけていってくれよー。後で受け取りに行くから」
返事がない物体にそう言い残して、部屋を出ようとする。
「………行くって…、ど、こ……にぃ?」
玄関のドアに手をかけてところで、後ろからそんな小さな声が聞こえた。
寝ぼけた甘い声。
振り返るとまだタオルケットに包まったままでその顔は見えない。
「どこって…、昨日話しただろ?」
まったく…
人の話を聞いているのやら聞いていないのやら。
ガチャッとドアを開けると、眩しい日差しと共に乾いた暑さが身を包む。
今日はまた、一段と熱くなりそうだな。
そんなことを思いながら、俺は一歩を踏み出す。
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