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第四章 [トカゲ王の城] #2
「パラガスには………、レティスなんかやってくれ」
バセルは少し間を置き、レティスに話しを振った。
パラガスに渡す物が浮かばなかった様子だ。
「もう、ちゃらんぽらんね…」
レティスはバセルを罵り、馬に掛けてある荷物の中を探った。
「王子、物で話しをごまかさないでください」
その態度にパラガスが怒鳴った。
「パラガス!いい加減にしろ!」
ガリッグがパラガスを怒鳴る。
「ガリッグ、悪いのはコイツらじゃねーよ」
バセルが制した。
「パラガス、アスト、おめーらが国を守るんだよ、オレの器じゃ国は守れない」
バセルは真剣に答えた。
「オレは王にはならねー、いやなっても潰れる」
「でも、いずれはなってもらわないと…」
アストが反論した。
「だから旅に出て、いろんな国を巡るんじゃねーか」
「そうよ、王国にいるだけでは、見えないところもあるのよ」
レティスがバセルの発言を補足し、パラガスにある物を投げた。
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