1.疑惑の侍女

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彼女の胸の隙間から出てきたのは、何の変哲もないタオルだった 「ふっ…ふふふ…。あ、申し訳ございません…。ふふっ」 顔を横に向け、肩先に口を近付け笑うエストレジャ 意味が分からない 開いた口が塞がらないって、こういうことを言うんだろうか… 「剣を向けられるとお思いになりました?」 「…そりゃ……。あんなこと言われたら…」 「そうですわね、失礼致しました。ご安心下さいませ。このエストレジャ、命に代えても御身をお守り致しますわ」 右手を胸に当て、その場に跪(ひざまず)く ―――何を勝手に勘違いしてたんだろう… 相手は丸腰なのに… 「よろしく…お願いします」 ペコッと頭を下げると、彼女は軽く頭(かぶり)を振った
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