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だけど、謁見の間以外でお父様の姿を見ることはほとんどないから、部屋で…と言われると不思議な気分だ
「分かった、行ってくる。エストレジャ、ありがと。また何かあったら呼ぶし、もう部屋に帰ってて」
「かしこまりました、いつでもお呼び付け下さいませ。それでは一度…失礼致します」
恭(うやうや)しく礼をする彼女を見送ってから、クルエルと向かい合った
「ねぇ」
「何でしょう?」
「エストレジャのこと……どう思う?」
「どうって……。綺麗な方だなぁ、とは思いますけどね」
几帳面な彼が、白手袋をした手を忙(せわ)しく動かしている
あたしが生まれた頃からずっと一緒に居るクルエル
あたしよりも14歳年上の彼
もう27なんだから、恋愛の1つや2つあってもいいはずだ
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