1.疑惑の侍女

7/24
前へ
/201ページ
次へ
「よ!……っと」 着ている服に手を掛け、1枚ずつ剥いでいく 本などで読む『王族』とは違って、ドレスを着ていたり…なんて堅苦しい服装なんてしてなくて 脱ぎやすい前開きのシャツに膝丈のスカート、黒のタイツと革製のブーツ シンプルなのが一番 「はぁーっ、生き返るー」 湯船に浸かり、思いっ切り伸びをした あれっ? 不意に思い出した言葉――― 『ねぇ、クルエル。お風呂…』 『お召し替えぐらいは、ご自分でなさって下さい』 着替えは自分で、って…言ってたよね? ってことは、やっぱり――― 「ベルダ姫様、お加減はいかがですか?」 扉1枚を隔てた向こう側から、エストレジャの声が響いてくる
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加