第3話  日常の始まり。

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 その気持ちに気付かない彼。夜になるとまた私を見つめにくる。  「どうかした? 元気ないね」  分からないのに心配する彼に不満が溜まった。  「そんな時はCrab!」  励ましてくれてるの?   それとも私を馬鹿にしてるの?   私は溜め込んだどす黒いものを彼に向かって吐き出した。当然、様になってきた部屋は見るも無惨に散らかる。  「ぅわ! どうした?!」  珍しく慌てる彼を見てざまあみろと思った。けど、彼は変わらず私を心配してくるんだ。  「大丈夫? 怪我してない?」  私を一度部屋から出して、散らかった部屋を片付ける。部屋の温度や照明の灯りまで気にして。
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