最終話  軟禁の終わり。

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 それから数日経ったクリスマスの夜。  いつもより強く部屋が揺れた。 「おいっ!! ふざけるな!!」 「お前がひかりちゃんを自慢してきたんだろ?」  ベッドから起き上がれば不機嫌な紘市と知らない男が二人、廊下からリビングに入ってきた。紘市が誰かを連れてくるのは初めてで不安が胸に広がる。  「酔った石田が悪いんだよ、なぁ?」  「…………」  どこか私に似た無口の男がリビングから見つめてきて、直ぐに目を逸らした。  「大丈夫、一緒にご飯食べたら帰るってば」  「……本当だな? ちょっと待ってろ」  紘市は立ち上がってリビングから台所に向かう。
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