最終話  軟禁の終わり。

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 目は決して閉じない。閉じたら逃げるチャンスも見極められない。  「…………」  チャンスがあるかも分からないけど。男は近づいて腕を更に絡めてくる。体が少しずつ引き寄せられた。見知らぬ無口な男、こいつが初めてなんてお断りだ。  けど近いよ。キスだって、頬だって紘市にも触れられた事がないのに。こんな事なら甘えてれば良かった。いつも紘市は手とか脚ばかりなんだもん。  軟禁してる癖に優しいから、触れば私が傷付くと思ってる。そんな事ないのにね。分かる訳ないか、一度も喋ったことないし。  私がいけないんだ……。
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