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「お前も死ぬ?」
紘市と視線が重なった男は鞄を手に、無様に壁にぶつかりながら家を出ていった。持ってる包丁を死体に突き刺した後、紘市が私を見つめる。
「ひかり、少し待っててね」
紘市はいつもの穏やかな表情に戻って、普通に死体を踏んで台所へ向かった。多分、手を洗っているんだ。
少しすればまた紘市が戻ってきた。身動きがとれない私を抱いて、別の部屋に入れてベッドに寝かせる。
「もう大丈夫だよ」
膝を落として私に高さを合わせた。視線を逸らせば、部屋の作りが私の部屋に似てる事に気付く。少し固めのベッドも馬鹿でかいパワーストーンも。
「あっちは使うの止めよう。玩具とかは持ってきてあげるから」
もう一部屋用意してくれてたの? 紘市の大きさを実感した。本当に色々と私の為にしてくれて、逆に私は何もしてないのにね。
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