第1話  軟禁の始まり。

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   そのまま海沿いの駐車場まで走って一直線。黒色で四角いフォルムの小さな車。鍵を器用にリモコンで開けて、優しく後部座席に乗せてくれた。  抵抗しなかったのは何でだろうね。  やっぱり死にに来てたから、どうでも良かったのかな。人に抱き抱えられるなんて私は初めてだったし、それが嬉しかったのかもしれない。  「揺れるけど、少しのあいだ我慢してね」  しかも後部座席は、私を連れてくる事を前提で作られたかの様な居心地の良さ。微睡む意識の中、小さな振動とともに車は走り出した。
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