すべての始まり

3/3

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
『予防接種を受けている医療従事者の方の中にもインフルエンザにかかった方がいるようなので十分に気をつけてください。』 帰宅早々petがそんなことを言った。おそらく政府から送られてきた最新情報を元にした警告だろう。口うるさいのが癇に障る。 「ハイハイ、家に帰ったら手洗いうがい、ビタミンの多い食事をシロってことでしょう?わかってるよ。」 『月乃様は私が言ってもやってもらえないことが多いので念のためをと思いまして。今回においては医療従事者が行わない場合罰が有りますのできちんと行ってください。』 「わかりましたよーだ。」  医療従事者へのこの徹底の仕方を見る限り今回のインフルエンザ大流行は国としても不測の事態だったようだ。罰まであることは驚いたがやれば済む話であって毎日行っている習慣でもあるので苦にはならない。ちなみに、petが言う自分が言っても聞かないっていうのは何度注意してもやめなかったことを指しているのだがここだけを聞くとまるでわがままを言っているように聞こえるが酒を飲んだ時に限り止めても止まらない事を指しているのである。私はわがままでは決して無い。  手洗いうがいを済ませ野菜がいつもより多い食事をとる。明日、明後日と日勤ではあったが国がここまでの対処をしているのだから明日の昼には患者数が激減するであろうと予想して眠りについた。しかし、私の予想は見事に外れることとなった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加