想像を絶する大流行

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想像を絶する大流行

朝からの患者の足が絶えず今は昼の12時。本来ならお昼休憩に入る時間であったが今日は患者の数が減らなかったために休憩にはいれた時には13時であった。昨日の私の予想はハズレ、昼を過ぎてからも患者数が減ることはなく、殆どの人がインフルエンザだった。 「なにかおかしくない?」 看護師長によって看護師の全員がナースステーションに集められた。少し早めに来ていたため同僚である里見に話しかけられた。 「里見も思った?インフルエンザの患者さん多すぎだよね?」 「うん、思ったー。患者さんに聞いたら予防接種も早めにやったし、それからずっと手洗いうがいをしてたって言ってたし・・・。」 「それほんと?それじゃぁウチラもインフルエンザになる可能性あるじゃない。」 「え、こわーい。」 話を聞いた看護師たちが口々に言い様々な憶測を口々に話していく。 「静かにしなさい!」 そうして盛り上がっているところに看護師長がナースステーションに入ってきた。看護師長が叱ったことにより静かになった室内。そこで看護師長は静かな声で話し始める。 「現在、今までにない型のインフルエンザが大流行しています。今までの予防法では防ぎきれないインフルエンザだと政府も正式な発表をしています。この事態を受けて国ではインフルエンザに掛かった患者様にpetを通じたアンケートを行って、感染経路の特定をしています。」 そこで看護師長は一度言葉を切り、看護師を見回した。 「私達は患者と一番多くふれあいます。そのためよりいっそうの注意が必要になります。国から医療従事者には直接アンケート結果がpetに送られてくることになっています。科学者でも原因を考えていますがアンケート結果を見て科学者とは違う見方で原因を考えてほしいとのことです。ですからみなさん、これから毎日ナースステーションで会議を行いますので自分の考えをまとめてきてください。」 看護師長の話はそれで終わった。それはちょうど私の勤務時間が終わる時だったため、夜勤帯の人に引き継いで帰路についた。
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