想像を絶する大流行

2/3
前へ
/11ページ
次へ
帰宅すると同時にpetに国からの膨大なデータが送られてきた。 『・・・ずいぶん重いデータですね』 petが苦しむかのようにつぶやく。 「あー・・・容量大丈夫?」 『少し整理すれば何とか入ると思います。』 「じゃぁ、よろしく。」 このような作業を任せられる今の時代はほんとうに便利だと思う。一昔前は容量管理まで自分でしなきゃいけなかったのだから。そんなことを考えつつ手洗いうがいをしっかりとして昨日から続く野菜の多い食事をとる。その後お風呂に入る。見てわかるデータならばいいのだがデータの見やすさという意味ではなく、科学者でも原因が特定できないのに患者と直接あっているとはいえ看護師である私達がわかり用もないのだ。お風呂から上がってデータを見るがやはりばらつきがあって特徴的なものはなかった。むしろばらつきがあることが特徴といえるだろう。 「pet見やすいように質問ごとの統計データとしてソートして。」 『かしこまりました。』 petがソートしている間に洗濯物やらを済ませる。いくらインフルエンザが大流行しているからといって家事を休めないのは一人暮らしの悩みどころだとつくづく思う。 『ソート完了しました。』 ちょうど洗濯物すべて洗濯機にいれ終えたところでその声が聞こえた。 「わかった、今見る。」 ソファーに座りながらpetがソートしたデータを見る。見やすくなったとはいえやっぱりばらつきがあることは変わりなかった。ただ、petを見る時間が全国平均よりも長いということと外出が多いということぐらいしか特徴がなかった。そうなると外での感染が一番疑わしいのだけれど手洗いうがいでは対処できないということから考えると接触感染型のインフルエンザまたは空気感染型ということも考えられる。こう考えているとますます難しい。手洗いうがいでは落としきれないウイルスに進化した可能性も否めない。 「んー・・・これは科学者でもわからないのは無理もないかもねぇ・・・。患者から検出されたウイルス自体は進化の痕跡とか見られないの?」 『そうですね・・・。政府の調べによると少しだけ形状が違うみたいですが、それが直接感染経路や影響力に影響をおよぼすようなことはないみたいですね。』 「そっか・・・。」 ますますわからない。何が原因なのだろうか?
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加