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番号無.「ゼロゼロゼロゼロぜろぜろぜろぜろZer0」
ある少女が居る。
その少女は、まるでおとぎ話の英雄の様に――否、訂正しよう。
おとぎ話の英雄でさえも比類する者はいないだろう力を有していた。
一騎当千の英雄がいたとしよう。その英雄が一騎当千と呼ばれる所以は、正に一人で千人分の働きを戦場でしたからに違いない。
しかしこの少女にその表現をすることは出来ない。
相手が一人だろうが、万人だろうが――億人だろうが、はたまた無人(ゼロ)であったとしても、等しく相手を殲滅する。そう、彼女の前に敵の数など意味をなさないのだ。無限も一も、等しく無(ゼロ)である。
そこに、数学的な方程式は成り立たない。圧倒的理不尽によって、世界の法則(システム)はいともたやすく捻じ曲げられる。赤子の手を捻るように、造作もなく。道端の蟻を踏むよりも小さき事。
それほどまでに、有り得なかった。そしてだからこそ、彼女の常識も崩壊していた。崩壊してしまっていた。
まるで――存在してはいけない位までに。
そう、この話は、ある種の原初(ゼロ)。何もないが故の無限(ゼロ)より、そして存在しえないが故の夢幻(ゼロ)より出でる、現(ザ・ワン)の物語。彼女が経験した危機の、その一つだ。
それでは、彼女のことを紹介してから、この短い物語を始めよう。
セカイ。
17歳。
この世界で抗い続けているただ一人の人間である。
身に宿すのは七つの概念。
敵は、全てを無(ゼロ)に還す――≪終わり≫。
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