正義感

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「違うわよ! まったく、あんたがノロノロしてるから肝心のニュースが終わっちゃったじゃない」  寝起きで機敏に動けというほうが無理だろ。それに短時間で終わるニュースってことは、大したニュースではないということじゃないのか。  母さんは「どこかでやってないかしら」と呟きながら、リモコンでテレビのチャンネルを変えはじめた。朝の時間帯なので大抵のテレビ局はニュースを報道している。  母さんがチャンネルを変えている隙に、俺はもう一眠りするために部屋に戻ろうとした。  その時母さんが「あった!」と大声で叫ぶので思わず足が止まる。 「あったあった、これこれこれ! 見て」    そこには、確かに俺たちが驚くべきニュースが流れていた。
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