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「なぁんだ!!めっちゃくちゃいい子じゃん!!てかっそんなつまらないこと気にしてるの?」
その言葉を聞いた私は2年ぶりに口を開いた。
「・・・私はいい子でもなんでもない。ただ最低の・・・最低な女だ。」
その声は小さく、かすれていた。
聞き取れないだろうと思い、だまって立ち去ろうとした。
「それなら俺はもっと最低だぞ!!もう、すごい最低!超最低!スーパー最低!!」
あまりの最低攻撃に思考停止してしまった。
それから冷静になり。「なんであなたが最低なの?」と問う。
「ひひっ!なんでだと思う?そもそも俺のどこ見て最低じゃないと思った?」
彼は楽しそうに笑った。
「どこって・・・その、こんな奴に友達になろうとか、いい子とかいうし、一番は私に話しかけてくれたから・・・。」
なぜか涙が出そうになる。
「へえ・・・俺ってそう・・・見えてるんだ。」
どこか嬉しそうだった。
「しょうがない、俺の過去を少しだけ教えよう。」
聞いてねえよ・・・でもなんか落ち着くかも。
「おれさぁ、元ヤンなんだよ・・・」
「へ?」
あっけにとられてしまったぁ・・・。
「いや、だから元ヤンなの。あ、いや殴ったりしないから離れないで(泣)」
なんかマジ泣きしそう。
「それで学校追い出されて親にも迷惑かけて、それから心を改めまして誰にでも好かれるいい子でいようとした。でも演技みたいになって結局疲れて化けの皮がぬげちゃったみたいな?」
「似てるね・・・私たち。」
「え?藍咲さんも元ヤン?」
何言ってんだこいつ。
「違う!!あの・・・ただ誰にでも好かれるようないい子になろうとしたってとこ。私も、同じだから・・・。」
「ねえ、俺藍咲さんの話聞きたいな。」
「え?たいした話ないよ。」
「それでも!!」
「うん。私はさっきいったとおりみんなに認めてもらえるようないい子でいようとした。でもだめだったの。演じてるとね、だんだんみんなにうざがられていってしだいにいじめになったってわけ。ね?面白くとも何ともないでしょ?」
そう。これが私なのだ。
「そうなんだ・・・ねえ!メアド交換しよっ!」
あっ、と付け足して
「自分のことそんな最低と思わなくていいと思うよ。少なくとも俺はそういうのいいと思う。」
チャイムが鳴った。
こうして生まれて初めて授業をさぼった
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