ー藤ー

13/62
前へ
/125ページ
次へ
. 「……?どうしたんだい?」 「あ、あたしは隣村に家族四人で暮らしていたんですけど……。」 「あー、やっぱりここの子じゃ無いんだねっ。」 「あ、はい。先日隣村で火事があったの…知っていますか……?」 「ああ、そこの火事にあった家の人間は全員死んでしまったと聞いたが…。」 「……おま……、まさか。」 まさかと言いたげな土方さんを見て、あたしは静かに頷いた。 「………はい。あたしはそこの家の子供です。」 そう言って目線を下げると、宗次郎が訳が解らないと言いたげに首を傾げた。 「でもさ、なんで火事があっただけでこんな所まで一人で来たの? 」 そう言うとそれもそうだと全員が頷いた。 .
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加