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「宗次郎っ宗次郎ぉぉぉーっ!」
江戸、試衛館には朝っぱらから怒鳴り声が響いていた。
その老若男女を魅了する容姿とは逆に巷ではバラガキと有名な今現在、青筋を立てているこの男、土方歳三である。
「どうしたんだ?トシ。そんなに大きな声を出して。」
「聞いてくれよ勝っちゃんっ!宗次郎がまた居ねぇんだっ!あんの糞ガキっ、稽古サボってまぁた遊びに行きやがったっ!」
勝っちゃんと呼ばれた厳つい顔つきだが、人一倍人情のある男は嶋崎勇、後の近藤勇である。
「まぁまぁ、トシ。宗次郎もまだ子供だ。少し位遊んだって良いだろう。」
そう言って豪快に笑うと、土方は喰ってかかった。
「あいつが遊びに行って何事も無かった日はあるかっ?!この前は野良猫!その前は野良犬っ!一昨日だって猪の子供を拾って来たじゃねぇかっ」
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