ー藤ー

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. そう言うとけらけら笑いだした勇。 「あぁ、流石にあれは驚いたよなぁ。」 「勝っちゃんーーーっ!あんたは宗次郎に甘すぎだっ!少しは厳しくしろよぉぉぉっ!」 「まぁまぁ、そんなにカリカリするな。俺だって言うときは言うさ。ほら、噂をすれば宗次郎が帰って来たぞ。」 「んあ?」 勇の指差す方向を見ると、幼い少年が何かを背負いながら無邪気に手を振っていた。 「嶋崎さぁーんっ!」 おーう、と呑気に手を振り返す勇を土方はジロリと睨み、 宗次郎に向かって歩きだした。 「宗次郎ぅぅーっ!てめぇ、稽古サボって何処に行ってや………」 急にピタリ、と動きを止めた土方に宗次郎は気にもせず、そのまま勇の元に駆け寄った。 .
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