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でも、勝也がどんな顔で私を見てるのかは、恐くて見る事が出来ない。
「冗談だよな?」
「本当だよ。それが、中学の時の私……」
勝也が、テーブルから奪い取るみたいに、卒業アルバムを持ち上げる。そして、顔を埋め込むみたいに昔の私を見る。
よく見たら、面影がある筈。
「本当、なのか?」
「うん、今まで黙っていてごめんね……」
重苦しい沈黙が、私を押し潰しそうになる。
それでも勝也が頭の中で整理して、理解してくれるって淡い期待がどこかにあった。
勝也なら、分かってくれる。
でも、この後に聞こえて来たのは絶望の言葉だった。
「俺を騙してたのか?」
「騙すだなんて……」
「だって、そうだろ。男だったのに、それを隠して女のふりをして。それで気付かない俺を、陰で笑っていたんだろ?」
「そんな事、してないよ」
「だったら、何で付き合う前に言わなかったんだよ」
そんな事、言える筈が無かった。
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