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思い出の曲なんか流れたりしたら、どうなっちゃうか分からないし。
その時、画面にエンドロールが流れ始め、その映画が終わりを告げた。
「終わっちゃった。入れ替えなきゃ……」
同じDVDを続けて、再生してもいい筈。それなのに、何でだか律儀に毎回入れ替えている。
それが唯一、私の生きているって確認する為の作業に思えたから。
リモコンを操作して、DVDを取り出す。
『まなみ……』
「えっ?」
リモコンを押し間違えて画面がテレビに切り替わり、昼ドラの俳優が相手役の女優をそう呼んだ。
女優の役名が、私と同じなんだ。
『愛美、こっちに来いよ』
彼氏が。ううん、もう元カレなんだっけ。
私を呼ぶ時と同じ呼び方で、俳優が女優を呼んでいる。
その瞬間、記憶が逆戻りするみたいに色々な事を思い出す。
「吉田さん、話しって何ですか?」
「俺の事。吉田さんじゃなくて、勝也って呼んでくれないかな」
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