プロローグ

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甘い香りに甘い喘ぎ声。 ずっと求めていたものが、 自分の胸の中で乱れている。 揺さぶり、 焦らして、 貫いた--- 何度も 何度も 愛しい名前を呼ぶ。 クレハ。 クレハ・・・ 想像以上に妖艶な嬌声を上げ、 しなやかに蠢く躯。 執拗に求め、 乱そうと追い立てる。 限界に、逃れようとする身体を押さえつけ、 さらに攻め立てる。 逃げないで、 オレから。 受け止めて、 オレを。 アイツの事なんか忘れさせるから。 もうオレしか見えないようにしてやるから。 そんなにあいつがいいの? オレでは駄目なのか。 悔しさと、 ちっぽけなプライドが、 邪魔をする。
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