~第一章 カレジ~

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「かかれーーー!!」 兵士たちのリーダーの大きな声をきっかけに、敵兵は北の山から、一気になだれ込んできた。 あっという間だった。 平和だったはずの村は、地獄と化したのだ。 恐怖の叫び声が響き渡り、点けられた火で家々が燃えた。 兵士たちのピカピカと光っていた鎧は、血の赤で塗られていく。 「敵は山から降りてきているぞ!!みんな、森だ!!森に逃げるんだ!!」 父はカレジを抱きかかえたまま、走り続けた。母も、後に続く。 目に映るのは、赤・赤・赤。 赤い景色だけだった。 震えはいつまでも修まらない。 恐くて目をつぶった。 しかし、目を閉じても、赤い景色の気配は消えてくれなかった。
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