~第一章 カレジ~

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父は、目の前にいる敵兵に問いかけた。 「何故、俺達の村を絶滅させる必要があるんだ?」 敵は余裕の笑みをたたえながら、答えた。 「勇者の子孫であるお前たちの力を、王は恐れているのさ。歴史によれば、勇者パーストは、たった一人で三百年戦争を鎮めたというが…。どうやらウソだったみたいだな。どいつもこいつも、平和に溺れた腰抜けばかりで!!あっさりやられちまって!」 狂ったように、敵は笑い声をあげた。 悔しくて、体中が熱くなるのを感じた。 しかし、周りは敵だらけ。子供のカレジにはどうすることもできない。 このまま、皆死ぬしかないのかと、絶望感に襲われた。
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