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人々に忘れ去られた村は、至って平和であった。
田畑を耕し作物を育てていたし、牛や羊、鶏も飼育していたので、食べ物などにも困らなかった。
村は、大自然に囲まれていた。
北には高くそびえる山々が連なり、南の森に入れば川も流れていた。
吹く風は爽やかで心地良い。
聞こえてくるのは、川の流れる音、吹く風にざわめく木々のおしゃべり。そして、村人たちの笑う声だった。
少年カレジは、そんな平和な村で育った。
勇者の里の人々は、パーストから受け継がれた黒い髪に、燃えるような赤い瞳だ。
もちろんカレジも、そうだ。カレジは、村の子供たちの中で比べると少し小柄で、痩せていた。
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