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それは、カレジが十歳になって、間もないある日。
その日の朝も、母のスープと焼きたてのパンを、父と一緒に頬張っていた。
いつも通りの、幸せの朝だった。
朝食が食べ終わった頃、村の広場が騒がしい事に気が付いた。
「何かあったのかなぁ?」
カレジは不安を覚えた。
何か、嫌な予感がする…。
「よし、カレジ。一緒に見に行ってみよう。大丈夫。何かあれば、父さんが守ってやるから。」
そう言って、立ち上がった父と目が合った。
力強い眼差しに、カレジは無言で頷いて答えた。
「気を付けて行ってくるのよ。」
心配そうに見送る母を気にしながら、二人は広場へと向かった。
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