~第一章 カレジ~

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急いで、母の元へ戻る。 「母さん!!大変なんだ!!早く、早く逃げなくちゃ…!!」 焦っていて、何を伝えたらいいのか分からなくなってしまったカレジの代わりに、父が掻い摘んで状況を説明した。 話を聞きながら、母は恐怖に表情を変えた。 こんな顔は初めてだった。 見たくなかった。 「…あなた。カレジだけは、なんとしても守らないと。」 「…そうだな。」 二人は何かを決心したのか。 力強く頷き合った。 三人は、何かあった時のために隠してあった剣を手に、張り詰める緊張感の中、家を後にした。
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