第5話

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   雨が本格的に激しく降り出し雷まで鳴りだした時点で、僕は、数日前に考えた『アゲハを蝶に戻す方法』を実行することに決めた。  だから、これがうまくいけば、今日でアゲハとさよならだ。  だからだろうか。この豪雨が治まってしまうのを危惧しつつも、晩ご飯を食べてから実行しようと、暢気なことを思っている。 「アゲハ、ご飯にしようか」 「うん!」  窓から身体を離し、部屋の真ん中に向き直ったアゲハは、不安顔を一転させた。  僕と一緒にキッチンにやってきたアゲハは、自分の食事であるハチミツ水用のコップを準備する。  僕は、自分の食事の準備をしつつ――といっても大したことはしないんだけど――、アゲハの出したコップにハチミツ水を作ってやる。  自分の食事をローテーブルに運んだアゲハが、「アニメ、見ていい?」と聞いてきたから、僕は「いいよ」と、キッチンから返事をした。  僕が自分の食事を順次運んでいる間に、アゲハはリモコンでニュースからアニメにチャンネルを切り替えて、食い入るように見始めた。 「アニメ、好きだね?」 「うん。色がきれいだし、かわいいから」  嬉しそうに答えるアゲハ。こういうところは、人間の子供と同じ感覚なんだろうか。  そんなことを考えながら、僕は「そっか」と相槌を打って、テーブルにつく。
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