Hello world

4/12
130人が本棚に入れています
本棚に追加
/693ページ
「なぁ、ユーヤ。 もうすぐ逢えるんだ。 彼に、お前にそっくりなハルの飼い主に。」 誰のコト?とでも問いたげに、ユーヤが小首を傾げて見上げてくる。 同時にざあっと薙ぎ払う風と、大きな機影がつくる黒い影が地面をなめるように過ぎ去った。 一瞬遅れた轟音が、空へ浮かび上がった機体を追いかけて響き渡る。 すっかり見慣れた日常の景色。 上空に広がる雲一つない青と、四方を染め上げる凪いだ海の蒼。 その真ん中、海上につくられた空港のための人工島で、視界を遮るものはなにもない。 大きく深呼吸して、西の方角の空を仰ぐ。 予定通りのフライトであれば、もうすぐ到着時刻のはずだ。 この島を守護る絶大的な守護神、地上施設綜合警備システム、R0MES。 そのシステムの支配者が、一年ぶりに戻ってくる…。
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!